1970年代後半になると、国鉄で使用されていた木造車を鋼体化した郵便荷物客車は老朽化が進んでおり、毎年数両ずつ新製されていた郵政省所有の郵便車や、荷物車のマニ50形などと比べると著しく見劣りしていた。
　 そこで郵便荷物客車についても取り替えが進められることになり誕生したのが本形式で、鉄道工場における技術力の伝承維持と向上を図るため、国鉄の各工場で改造工事として施工されることになった。そこで、台枠および車体は新製し、台車および連結器等を種車から流用することとし、台車は状態が良好であるTR47としたため、種車にはスハ43形、スハネ16形等が選択された。
　車体構造、機器配置、電気システム等はマニ50形を基本として設計された。車体は前後位に出入台を設け、前位から郵袋室、郵便区分室、便所、洗面所、荷物室、乗務員室となっている。スユ16形と異なり、冷房設備は持たないため、郵便区分室の採光用小窓は半回転式で開閉可能である。便所はマニ50形と同様にFRP製のユニット式となっている。乗務員室は防寒対策として出入台との間が仕切られて独立している。車体塗色はマニ50形と同様で青15号である。
　台車は種車のTR47AまたはTR47Bで、車軸発電機の取付対応がなされている。
　本州用については広域運用となるため耐寒耐雪構造として電気暖房設備と蒸気暖房設備を併設しており、番号は2000番代となっている。
　一方、北海道用については51形客車並みに耐寒耐雪構造を強化し、電暖設備は取り付けずに蒸気専用とし、車軸発電機のギア駆動化などが変更されており、500番代に区分される。
　1978〜83（昭和53〜58）年にかけてスハ43形、オハ46形、スハフ42形、オハフ45形、スハネ16形を種車として長野、名古屋、後藤、幡生、小倉、鹿児島で2001〜2063、501〜517の80両が改造された。
　なお、1979（昭和54）年以降に改造された2017・507以降は郵袋室の窓が開閉式に変更されている。
　1986（昭和61）年の郵便・荷物輸送廃止とともに廃車が進み、国鉄民営化後はJR北海道に3両、JR東日本に4両が承継されて救援車代用として使用された。
　最後まで残ったのはJR東日本盛岡車両センターの2018であったが、2020（令和2）年1月に廃車となって形式消滅した。